日本の人手不足を補うために技能実習制度や特定技能制度の様々な改正が今後見込まれる状況となっております。
日本人が今後さらに少子高齢社会を迎えるにあたり、外国人労働者の確保は喫緊の課題となっており、現内閣も従来よりかなり力を入れて改革に取り組んでいる姿勢がうかがえます。
そんな中でよく耳にするのが「日本の人材確保に関する競争力がなくなっている」という話。
円安の影響もあり、日本を選ぶ外国人は減ってしまうのではないかという危機感が募っているのか、弊所でもよくその話題になることが多いです。、
そこで今回は、まず、日本にいる外国人の給与について調べてみました。
今回のデータとして利用したのは、厚生労働省の令和4年度賃金構造基本統計調査の結果です。
まず在留資格別に見たデータは以下のとおりです。
在留資格区分 | 賃金(千円) | 年齢(歳) | 対前年増減率(%) |
外国人労働者計 | 248.4 | 34.1 | 8.9 |
専門・技術的分野 (特定技能を除く) | 299.6 | 31.9 | -8.2 |
特定技能 | 205.7 | 29.0 | 5.5 |
身分に基づくもの | 280.7 | 43.8 | 3.7 |
技能実習 | 177.8 | 27.9 | 8.3 |
外国人労働者の月給の平均は24万8千円程度。
一番月給の高いのは特定技能以外の専門・技術分野での雇用、逆に一番低いのは技術を覚えるためのいわばトレーニーにあたる技能実習生。
前年度との比較では、増減の差はあるとはいえ、日本人を含めた全体の増減率が+1.4%であることを踏まえると、外国人人材の確保のためにより投資が進んでいるのかなとも思えます。
外国人雇用の時に一番注意しなければならないこと、それは日本人と同等またはそれ以上の給与を支払うことです。
技能実習生に関しては従来は各都道府県の最低賃金に合わせた金額が支給されていたこともありましたが、現在はそれよりも髙う水準であることがうかがえます。
これは、特定技能の労働者市場と接続されたこと幡による競争的な移行が見て取れると言えるでしょう。
特定技能の平均29歳で比べてみると、平均は25万9000円程度です。
これから見ると、年々給与は上がってはいるもののまだまだ平均には達していないと言えます。
これの原因としてはひとえに、勤続年数が少ないことによるボーナスに支給割合が少ないことも影響していると考えられます。
これらのデータに関しては厚生労働省のホームページより確認することができます。
今後それでは外国人人材を確保するためには、どのようなことがポイントになるでしょうか?
特定技能では単純労働とみなされる業務にも従事することはできますが、その反面、給与の低さがまだまだ目立ちます。
給与を大幅に引き上げることで外国人人材を確保できる確率は上がるでしょう。
しかし、不景気な世の中の世相にも影響されがちな給与引き上げは経営者にとってなかなか難しい場合があると思います。
そこで提案したいのが、労働環境の整備です。
給与はもちろんそうですが安心して働けること、働き甲斐があることなども従業員定着には必要であるとよく言われますが、これは外国人労働者にとっても同じことが言えます。
それぞれの母国語のマニュアル等の作成に始まり、対応できることはどの企業でもいろいろとあると思います。
会社の外国人労働者の定着のためにできることをいち早く判断し、その対応を行動に移すということを見せるためにも登録支援機関を利用したり、弊所のサービスをご利用いただければ幸いです。
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